砂の城 4
本当は死にたくない。
でも、誰も助けてはくれないから。
望まないと言ったんだ。
――――海、楽しかったな・・・――――
それは、嘘なんだけど。
病院のベッド。
何も言わずに外を見詰めている僕を、
「キラ、起きていて大丈夫なのか?」
「体調悪くなったら、すぐに俺を呼ぶんだよ?」
イザークとアスランが心配そうに見て来て、
「有難う・・・大丈夫だよ・・・」
悪いなって思いながら微笑んで、大丈夫と答える。
――――本当は、少し気分が悪いんだけど。
二人に心配を掛けたくないから。
もう、悩んで欲しくないから。
「心配・・・しないで・・・?」
今日もまた、嘘を吐く。
――――けど、まだ大丈夫。
例え、いつかバレてしまうものでも。
「・・・ゴホッ・・・ケホッ・・・」
「キラ!?」
「大丈夫か!?」
「・・・コホッ・・・、大丈夫だって・・・。ただ・・・噎せただけ・・・だから・・・」
今だけは、
「本当に?」
「無理するなよ」
「うん・・・。有難う」
気付かないフリをして?
――――もう・・・行けないよね――――
残り四日。
そう知っているから。
お願い。
今、この瞬間だけは、
「心配掛けて、ゴメンネ・・・」
僕の病気の事を忘れて下さい。
これは、
「ゴメンネ・・・」
最期の頼みです。
END.
どうもー。
何とか出来上がりました。
「砂の城 4」です。
毎日連載って大変ですが、楽しいので、
癖になりそうです。
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