砂の城 2
好きな奴、一人も救えないなんて。
俺は、何て無力なんだろうな。
――――波が砂を攫って――――
死なせたくないな・・・。
また海に行きたいと言ったキラ。
『キラさんの容態ですが、最悪です。原因は一切わかりませんが・・・彼は確実に弱っています』
その願いを叶えてやりたくて、
「許可が下りた。海に行かないか? 三人で」
外を眺めているあいつに、声を掛けた。
『持って・・・一週間でしょうか』
ただ、
「あの日の様に。大好きだと言った夕焼けを・・・」
笑顔が見たくて。
『認めたくない事です。しかし・・・コレが検査の結果なんです』
笑って欲しくて。
「見に・・・行かないか?」
大好きだと言っていた海に、
「――――行きたい」
誘った。
――――砂の城が崩れる――――
潮風に髪を揺らして、
「やっぱり、いつ見ても綺麗な海だな、ここは・・・」
切なげに海を見詰めるキラの隣。
同じ様に紺(あお)を見詰めて囁く。
だが、
「キラ、ついでにイザークも、日陰に来たら?」
「ああ・・・、そうだな。キラ、動かすぞ」
俺の声はキラに届かない。
何故なら、
『アス・・・ラン・・・。イザー・・・ク・・・。綺麗だね・・・』
死にたくないと呟いたあの日に、
――――残り六日・・・。
必要以外の言葉を、封印してしまったから。
“生”を望まないと、
『僕・・・、死にたくないなぁ。でも、もう“生”を望まない・・・』
言ったから。
――――少ないな・・・。
きっとこいつは、二度と笑わない。
END.
一体何を書いてるんですか、五月さん。
自分ですら、先が見えてないですよ。
こんな小説で、ゴメンナサイー。
・・・次はアスランsideです。
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