死の庭で、君を待つ 4

 

 抱き締められた瞬間、

「キラ・・・、プラントに戻ろうとは言わないから、どうか・・・」

 一緒に住ませてくれないか?

「・・・アスラン・・・、何言って・・・っ」

 庭に咲いた、白紅(びゃくこう)の花が揺れた気がした。

 

――――死の庭が、枯れる――――

 

 温かい腕の中、

「んっ・・・」

 優しく口付けられて。

 微睡んで。

 僕は、小さく頷いた。

「キラ・・・有難う・・・」

 それを見て、彼は笑って。

 もう一度、

「んんっ・・・」

 キスをくれた。

 

 ――――嫌だ・・・。枯れないで。

 

 残り数日。

 君の為に生きるよ。

 きっと、この庭が枯れる時、僕は終わるはずだから・・・。

 その日が来るまで。

「アスラン・・・」

 二人で。

 

*   *   *

 

 戦後、久方振りにキラを抱いた。

 彼は何処も変わっていなくて。

 唯一、変わった・・・と思えたのは、

「・・・っ、キラ・・・ココ・・・?」

 快楽に対する溺れ方だけだった。

 

 ――――決して、声は出さないけれど。

 

 腕の中で眠るキラは、何も知らない純真無垢で。

 先刻まで乱れていた人物と一緒かと、疑ってしまう。

 だが、キラはキラ。

 疑う事なんてない・・・と言い聞かせて。

「キラ・・・。二度と放さない」

「んっ・・・、アスラ・・・」

 身動く躰を抱き寄せ、抱き締めた。

 

――――死の庭なんて、枯れてしまえ――――

 

 あとは、眠りに落ちるのみで。

 温かな体温に、

「・・・お休み・・・」

 ゆっくり意識を手放して。

 数年振りに、深い夢の中へ入った。

 そして、見たものは。

 近い未来に起こる、何かで。

 ただ・・・苦しさだけが残った気がした・・・。

 

END.

 

次回で、終わりです。

最終の完結と云うか、補足は、本でするつもりです。

詳しくは此方をどうぞ。

因みに、書き下ろし(補足は有りです)。

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