死の庭で、君を待つ 2
見間違えるはずない。
ネイビーブルーの髪。
翡翠色の瞳。
彼は・・・、
「アス・・・ラン・・・」
今、最も逢いたくて逢いたくない、大切な人。
――――花々が揺れる――――
美しくも残酷な花が。
白紅(びゃくこう)の姿を揺らし。
ハラハラと散る花弁(はなびら)は、まるで僕の様。
だけど、
――――残り十二日・・・?
こんな綺麗じゃないから・・・。
「君がどうして此処に・・・っ」
抱き締められる瞬間、距離を取って。
「キラ・・・お前を迎えに来たんだ」
「なっ・・・、嫌だ・・・。帰り・・・たくない・・・っ」
彼との間に防波堤を造る。
けれど、
「まだ愛しているんだ。だから・・・ねぇ?」
それは、あっさりと破られて。
僕は花弁(はなびら)の上、
「死に逝かないで・・・キラ・・・」
泣き崩れるしかないかった。
* * *
白紅(びゃくこう)の花弁(はなびら)の上、不意に泣き崩れて。
帰りたく・・・ない・・・。
怖いよ、アスラン・・・っ。
亜麻色の髪を揺らして、俺に縋りながらも拒絶して。
抱き締めた腕の中、
「キラ・・・」
プラントに帰りたくないんだ・・・。
静かに、そう言った。
――――君は拒絶を続けて――――
嫌だ・・・と言うキラを抱き締めたまま、ベッドに腰を下ろし、
「ねぇ・・・キラ」
君の残りの命は・・・あと何日?
「――――・・・」
単刀直入に訊く。
だが、答えが返って来る事はなく、代わりに返って来たのは、
「んっ・・・」
重ねるだけの、軽いキス。
今、思えばそれが答えであり、忠告。
何も言わないで。
何も訊かないで。
答えられないから・・・。
そんな気がした。
――――何処を見て、何を感じているんだ?
死の庭に、君がいる。
END.
第2弾。終了。
まだまだ続きます。
今回も死にネタ・・・。
・・・すみません。すみません。すみません。
死にネタ、大好きなんです・・・。
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