花の咲く季節までに

 

 愛なんて知らない。

 躰を繋げれば全て丸く収まるじゃない。

 想いが通じなくたって。

 一緒にいられたなら。

 私幸せだったの。

 

――――花の咲く季節までに――――

 

 諦めなくちゃいけない想いがあると知ったのは、キラの幼馴染がアークエンジェルに来た時だった。

 それまではいつだって私といて、繋がっているんだと思っていた。

 弱い癖に強くて。

 一人が大嫌いで寂しがり屋で。

 私がいなくては夜も眠れない。

 誰にもキラの傷は癒せない。

 ずっとそう思っていたのに、

――――っ・・・、アスラン・・・ッ』

『もう泣くな。俺が傍にいるから』

 大丈夫だから。ほら、キラ。

 好きだよ、愛してる。

 突然現れた彼は掌から全てを奪って。

 見せ付ける様にキラを抱き締めた。

――――何よ、あれ・・・っ」

 それが、許せなくて。

 

 湧き上がる嫉妬心。

 苛立ちが消せない。

 渡したくない。

 キラは私のものよ。

 

『ねぇ、キラ。話があるの』

 二人で逃げ出そうと決意した。

 きっと彼もそれを望んでいる。

 わかるの。そう、待っているのよね。

 現実から抜け出し、

『今夜、私の部屋に来て』

 手を取り合って此処から。

 

END.

 

06年3月19日発行の「sister」に繋がるお話。

本当はもっとほんわか〜になるはずだったのに。

知らない間にこんな話、に・・・(がくり)。

「sister」は此処から。

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