優等生

 

 いつからだろう。

 彼を意識し始めたのは。

 わからないが。

 気が付けば、目で追っていて。

「皆城くん、ノートある? 今集めてるんだけど・・・」

「ああ。コレか・・・。っと、一人で大丈夫なのか? 手伝うが・・・」

「・・・大丈夫だよ。心配してくれて、有難う・・・」

 あの・・・綺麗な瞳に映りたいと思うようになっていた。

 

――――優等生――――

 

 彼の名前は、真壁一騎。

 無口で休み時間も殆ど一人で過ごしている、大人しい感じの子で。

 耳に掛けた横髪と、ノンフレームの眼鏡が印象的だった。

 けれど、目立つ事はあまりせず、裏役に回っている為、大半の人が存在に気付かず行動してしまうので、真壁はよく取り残されていた。

 その事実に気付いたのは、偶々病院に行く用事があり遅刻して来たのが切っ掛けだった。

「・・・真壁・・・? 何・・・しているんだ?」

 三限目辺りだっただろうか。

 時間割は体育で、教室は閉まっていた。

 そんなドアの前、彼は困った風に立っていて。

「あの・・・ちょっと・・・」

 訳を聞いてみれば、少し用があって外に出た間に鍵を閉められたらしく、しかも運悪く鍵を持っている奴が捕まらず、中に入れないのだと言う。

 だから、どうしようか迷っていた・・・との事で。

「副委員は何しているんだ」

 それを聞いて舌打ちする。

 すると、彼は苦笑して。

 ただ一言、

「有難う・・・、皆城くん」

 そう言った。

 礼を言われる憶えがない僕は、小首を傾げて問い掛ける。

 と、レンズ越し。

 淡く微笑んで、

「俺の事・・・気に掛けてくれてるだろう」

 知ってたり・・・するんだ。

 そっと囁いた。

 瞬間、心打たれて。

 ずっと言えなかった言葉を口にする。

「        」

 それは、彼を動揺させて。

 だが、次に目が合った時、

「・・・俺も、同じ気持ちだった。・・・これからは名前で呼んで。俺もそうするから、総士」

 僕達の関係は変わる。

 

END.

 

授業サボって何が優等生だ・・・って感じですが。

ツッコミは不可で。深くは気になさらないで下さい。

ただ、最初考えたのと話が違っただけですから(ぇ)。

パラレルネタ・・・。

幼馴染とか関係なく、二人が仲良くなるまでの話。

続き・・・少し考えていたりします。

なので、書けたら書こうかなぁと。

 

今回、一騎が眼鏡だったのは特に理由なく。

どちらかにアイテムとして眼鏡を掛けさせたくなり、

私の場合、攻めが何かと眼鏡掛けてるので、

じゃ、受けが偶には眼鏡掛けてるって事で・・・な感じで、

こうなりました。単純ですいませ(ぉ)。

 

この話は、以前通販ご利用下さいました、S前様に捧げます。

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