所有物

 

 躰に刻み込まれた、総士のもの。

 貫かれる感覚。

 全てが、

「一騎」

 鮮明に蘇って。

 触れられた先から、

――――っ」

 反応してしまう。

 けれど、

「目・・・腫れてるな・・・」

 総士は気にする事なく、俺に触れ続け。

「少し・・・出掛けないか」

 耳元で、甘く囁く。

 その声は媚薬よりも強く、躰に染み渡って。

――――」

 コクリ・・・と頷いた。

 

 ――――抱かれた時から、総ては彼のもの・・・。

 

 握った総士の手は、冷たかった。

 それが、昔を思い出させて。

「どうした、一騎?」

 懐かしさに肩を震わせる。

 すると、心配した風な声で名前を呼ばれて。

「・・・・・・」

 慌てて顔を横に振って、幼い頃を思い出してたんだ・・・と伝える。

 と、それがわかったのか、彼も笑って。

 唇にそっと、温もりが触れる。

 それは、俺が欲しかった温度で。

 小さく応え返す。

 瞬間、抱き締められ、

「一騎・・・」

 囁かれた言葉は、

「俺は・・・お前のもの・・・だよ・・・」

「愛してる」

 愛と云う名の所有。

 

END.

 

久々過ぎた・・・!

ひーあー、更新止まっててすいませ。

これからは少しずつ、更新して行きます。

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