死に一番近い場所

 

 目の前に広がるのは一面の白。

 僕には不釣り合いの、綺麗な白い花が咲く庭。

 君が「キラの色」と言って見せてくれた此処は、息苦しく、けれど心地良く。

 今、逝けるはずもない天国に、何よりも近い場所。

 

――――死に一番近い場所――――

 

 ずっと・・・誰かに裁いて貰いたかった。

 自分は悪い事をしたのだと。そう言って罰を下して欲しくて。

 いつも生きている自分が嫌だった。

 だからあの日、

『今日からキラの居場所は此処だよ・・・』

 アスランにこの場所へ連れて来られた時、苦しく胸が痛くて、でも同時に酷く安堵を覚えた。

 だって、彼は自ら命を絶つ事すら出来ない自分に、無罪の白を与える事で罰を下してくれたから。

 ・・・けれど、

『キラ・・・』

 アスランが僕の名を呼ぶ度、何故か許された様な感覚に陥ってしまう自分がいて。

 次第に庭も、彼も恐くなった。

 だけど、逃げ出す勇気も何も持ち合わせていない僕は、

『キラ・・・逃げないで。――――逃がさないから・・・』

 白い花の咲き乱れるこの場所で、今日もアスランの腕の中、大好きな温もりに抱かれ眠る。

 

 ――――ねぇ、誰か僕を裁いて?

 

 息ノ根ヲ止メテ。

 早ク白デ埋メ尽シテ。

 ソシテ壊シテ、コノ響ク鼓動ヲ終ワラセテ。

 

END.

 

リハビリ程度に書き殴ったもの。

一応3周年用だったんですが、気に入らなくて普通にUP。

感想やらありましたら、どうぞ。

またクリスマスに向けて更新したいと思います。

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