桜
ハラハラと。
舞い上がるピンクの花弁(はなびら)――――桜。
君と出逢い、君と別れた。
幸せで・・・悲しい季節。
それが、今年もやって来る・・・。
――――桜――――
この手で守りたかった。
腕の中に閉じ込めて。
綺麗なものだけを与え、白いままで生きていて欲しかった。
けれど、その想いを砕くかの様に“戦争”に寄って引き裂かれ。
そして“戦争”と云う名の元に引き合わされた、大切な・・・とても大切な幼馴染――――キラ。
君は続く戦いの中で、どれだけ汚いものを見せられたの?
凄く繊細で、無垢だった心。
それに、どんな酷い言葉を投げ付けられたの?
全てを知りたいのに。
「今頃君も何処かで舞い散る花弁(はなびら)を見て、あの日指切りした約束を思い出しているの?」
その内お互いを忘れる時が来るけれど、少し思い出して・・・桜の花を目にしたら・・・。
生きる事から手を放した君からは、何も訊けなくて。
今存在するのは、後悔と懐かしさと未だ溢れ出す愛で。
――――キラ・・・。
目を瞑れば思い出す。
絶対の信頼。
俺だけに向けられる、笑顔と言葉。
『アスラン・・・』
何処までも優しく、甘い声。
『大好き』
握り返された手。
褪せる事なく、鮮明に。
だけど。
どれ程思い出しても、もう触れられない。
だから、せめて覚えていて。
君を愛していた事を。
どうか・・・。
END.
「Mix!」をご購入下さり、本当に有難うございます。
佑美個人企画は楽しんで頂けたでしょうか?
私的には、こっちの話の方が好きです。
『白い花が咲く場所で』は、書き直せるなら書き直したい。
今回のイメージ(使用)ソングは、
『Janne Da Arc』の『桜』です。
歌詞の一部をアスランに言わせてみました・・・。
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