Please call me
色々と限界だった。
これ以上悩むのも苦しいのも切ないのも嫌で。
もう微かな幸せすら見えなくなるくらい恐くて。
手放すしか方法はなかった。
だから『さよなら』を口にして終わらせたのに。
失くした後の方が辛いなんて・・・そんな事知らなかった。
――――Please call me――――
アスランと別れてから一週間。
あれからすぐに携帯を変え、メモリーナンバーも消した。そうでもしないと泣き出してしまいそうで。自分から捨てた癖に温もりに縋ってしまいそうで。いつもの――――日常が悲しくて恐くて仕方なかった。
けれど、幸いな事に仕事は山積みで毎日残業と言った感じで、普段なら文句の一つや二つ零してしまう様なそれも彼との想い出を考える時間を与えない・・・僕に取っては現実から目を背けられる逃げ場所で。机の上に聳え立つプリントの山が有難かった。
でも、ふとした拍子に想ってしまうアスランの事。頭を撫でてくれた優しい掌。頬に触れ、髪を梳く細く長い指。忘れようと思えば思う程鮮明に蘇るそれらは余計に胸を詰まらせて。昇華出来ていない事実を突き付けられた。
そしてそれは日々自分の足を引っ張り体を重くさせ、一人になると涙を連れて来ようとした。だけど泣いてしまったらこれからに負けてしまう気がして。唇を噛んで溜め息と共に噛み殺す生活を送っていた。手に持った鞄すらズッシリ感じるのも気分の所為、なんて思い込んで。
カツンカツンとマンションの階段を上る足音にすら少し苛々しているのに苦笑したりした時だった。
「・・・アス・・・ラン・・・」
一番逢いたくて、逢いたくなかった彼がいた。
僕の住んでいる所も何も知らないはずなのに。部屋の・・・ドアの前に立って。あの翡翠の瞳でこっちを見て。
「キラ」
凄い探した・・・とか何とか。信じられなかった。だってアスランはいつだって冷静で、焦ったり困った顔なんてしない。どんな時でも一歩引いた感じで、自分一人が空回りしているのが常の風景だったから。
「・・・嘘・・・」
洩れた声は何処までも頼りなくて。
「キラに・・・伝えに来たんだ」
視線が絡む瞬間、その碧に縫い止められ、
「お前に『さよなら』を言われるまでは気付かなかったけれど」
俺の“唯一”はキラだ。
ずっと聞きたかった言葉を貰った僕は、
「好きだよ、愛してる」
彼の温もりに包まれて泣いてしまった。
かみさま、かみさま、おねがい。
この幸せが一生続きます様に・・・。
END.
終わったー。
ひーん、やっぱり難しいよ!
私の世界観がちっぽけ過ぎるのがいけないんだ。
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書き方は最近を意識して(笑)。
色んな書き方が出来て楽しかったです〜。
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