oblivion

 

 心が凍って行く。

 何もわからなくなる。

 忘れたくないのに。

 たった一人。

 大切な、

『総士。俺・・・』

 守りたい人なのに。

 

 アナタハ、ソコニイマスカ・・・?

 

 そんな一言で。

『お前と戦うって決めたから』

 僕から奪い取ろうとする・・・。

 

 我々ハ我々ノ為ニ・・・。

 

 汚らわしい行為と言われ様と、彼・・・あいつを守りたくて。

 同化しようとした、幼き頃。

 自分に繋ぎ止めたくて。

『一つになろう・・・?』

 そう問い掛けた。

 しかし、一騎はそれに抗って。

――――っ・・・! 痛・・・い・・・っ』

 僕を現実に。

 “皆城総士”と云う、一人の“人間”にした。

 その時から、彼だけが“特別”で。

 “唯一”でもあった。

 だから、忘れたくないと望んでいるのに。

『総士! 総士! 総士!!

 心は言う事を聞かずに。

「一・・・騎・・・」

 凍て付かす。

 瞬間、意識は途絶えて。

 

アナタハ、ソコニイマスカ・・・?

 

 全てが白になる。

 だが・・・まだ終わりじゃない。

『総士!!

 躰が。

 思考が。

 全部が。

 一騎を憶えている。

 

END.

 

“Kaleidoscope vol.1”に載せた小説。

23話を観て、思い付いたものだったり。

『薬 −Drug−』とは、正反対な話です。

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