空白の蒼

 

 空に広がるのは、美しく晴れた蒼。

 だけど、己の目の前に見える空は・・・色のない白黒のもので。

 

 ――――もうすぐ見えなくなるんだろうな。

 

 脳裏に、いつも完璧な幼馴染を思い描いて、

「総士・・・」

 見えなくなりつつある瞳を閉じた。

 

――――空白の蒼――――

 

 教室にいると、嫌でも目に入る総士の姿。

 彼はいつ見てもクラスの中心にいて。

(早く、この目が見えなくなればいいのに)

 小さく、そう口にしながら・・・キツく目を瞑る。

 でも・・・、

「皆城くんは好きな人・・・いるの?」

――――っ)

 微かに入って来る音に躰が反応して。

 ガタンッと椅子を蹴って立ち上げるけれど、

(・・・ヤバイ・・・、目が霞む・・・)

 不意にブラックアウトした目前に、

「一騎!?」

「・・・っ、触んな・・・っ」

 誰なのか認識出来ず、動揺して。

「・・・一騎・・・、お前・・・」

 焦点の合わない瞳を上げたが最後、

「見えて・・・も、ない・・・のか?」

――――っ!?」

 見抜かれて。

 揺らいだ瞳は、周りに・・・総士に、どう映ったのだろうか。

 光を通さなくなったソレでは、何も知る事は出来ない。

 

END.

 

『彼』・『Noise』の続き。

今度は光を奪ってみました・・・。

何か可哀想な事になっていて・・・すみません。

けど、コレでも本命は一騎くんなんで(にこ)。

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