紅の散華

 

 目の前で飛び散った紅の散華。

 美しく。

 何よりも綺麗に宙を舞った、紅の華。

 それは、

「アスラン・・・ッ!!」

 紛れもなく、彼の鮮血で。

 瞳に映った紅に、悲鳴しか上がらなかった。

 

――――君モ僕ヲ置イテ逝クノ――――

 

――――っ!!」

 夜中、己の叫ぶ声で目を醒ます。

 その――――悲しみに満ちた行為に、カタカタと躰を揺らして。

「いやだ・・・。アスラン・・・」

 手で自分を掻き抱く。

 すると、

「キラ、大丈夫ですか?」

 そっと添えられた、

「・・・ラクス・・・」

 彼女の手。

 それに、強く縋って。

「アスランが・・・っ」

 あの・・・戦時中の事を口にする。

 瞬間、

「・・・っ、キラ・・・」

 ビクリと震えたラクス。

 それを肌で感じながらも、

「もう・・・二年も前の話ですわ」

 他には何も言えずに。

 

 ――――どうして、僕を庇ったの?

 

 ただ、小さく。

 彼を返して・・・と紡いだ。

 僕自身の所為で、アスランが逝った事実に目を逸らしたまま。

 

END.

 

アスラクのはずだったのに。

気が付けばラクキラになっていました。

しかも、ザラ死にネタ・・・。

そあらさんに捧げます。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送