この感情を抱き締めて

 

 言わないよ、一生。

 想いは絶対に口にしない。

 だから君は前だけを見て。

 どうか愛する人と幸せになって。

 そして僕の事なんて忘れてしまえばいい・・・。

 大好きなあなたに、有りっ丈の祝福を。

 

――――この感情を抱き締めて――――

 

 背中を見る事には慣れていた。

 振り向いて欲しいなんて此処最近思った事がない。

 だって・・・前だけを見据える彼は余りにも綺麗で。

 姉である彼女とお似合いなんだもの。

 こっちを見てなんて言える訳がない。

 こんな浅ましくて汚い僕を。

 抱き締めて愛して欲しいなんて・・・。

 そんな事、今更言えないよ。

 例え背中しか見る事が出来ないのが悲しくても。

『キラ・・・』

 昔の様に名前を呼んで貰えないのが寂しくても。

 弱音を吐いたりしないから。

 お願い。

 何か言いたそうな瞳で僕を見ないで下さい。

 君は正面だけを見ていればいい。

 大切な姉と。

 二人だけで手を取り合って進めばいい。

 それが望みなんだ。

 ねぇ・・・だから、

「キラ、こんな体冷たくして」

 風邪引くぞ。

「・・・っ、アスラン・・・」

 この体を抱き締めないで。

 優しくキスしたりしないで。

 彼女に触れた手で、同じ様にしないでよ。

 僕はただ一人、己の感情を抱き締めていられればいいんだ。

 

END.

 

アス⇔キラ。

両想いで、尚且つアスランはカガリに一回も触れていません。

キラ一筋! でもそれに気付かないキラ様に愛。

こんなアスキラが最近大好きなんです。

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