仔猫
一騎が、一匹の仔猫を拾って来た。
その猫は、可愛く真っ白で。
彼はとても気に入った様だけれど・・・。
「一騎。シミュレーションに猫は要らない」
「邪魔しないから、いいだろう?」
なー? 総士・・・。
こちらを見ない一騎ばかりを見ている僕に取っては、
「駄目だ。此処から出すんだ」
「・・・むぅ。総士のケチッ!」
非常に気に入らないものだった。
――――仔猫vs・・・――――
大人気ないと、ちゃんとわかっている。
彼が我が儘な事を言っているのも、甘えているからともわかっている。
だが、
「可愛いなぁ。んー」
僕とは出来ないと云うキスを、猫としているのが許せなくて。
「・・・一騎・・・」
「もう・・・何だよ!」
ついつい、声を上げてしまって・・・。
だから、あの日――――迷子になっていた仔猫を見付けた時、
「一匹(ひとり)・・・なのか・・・?」
捨ててしまおうとも思った。
しかし、
「・・・お前は幸せものだな・・・」
そんな事が出来るはずもなく。
「――――っ!」
「ご主人様が探しているみたいだな」
僅かに聞こえる一騎の声がする方へと向かった。
そして知った事実。
「ソウシ・・・!」
良かった。お前・・・何処行ってたんだ?
「・・・? 一騎、今・・・その猫を何て呼んだ?」
「・・・え? ・・・あっ・・・あの・・・っ」
それは、
「――――ソウシって・・・」
僕を喜ばせて。
――――そうだ。結局一騎は・・・。
数日後。
それが仲間に加わった事は言うまでもなくで・・・。
END.
猫に嫉妬する総士さん。
元ネタは・・・確か秀英氏とのメールだったはず。
次回は猫vs総士が本格的に・・・。
って、続くんですか? これ・・・(続きません)。
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