痛みや疵さえも

 

 君に何がわかる!

 一騎なら、わかってくれると思っていた。

 そう、声に出して言ったのは・・・初めてで。

 

――――痛みや傷でさえ、一つの“絆”だった――――

 

「一騎くんも、そう思っていたに決まってるでしょう!!」

 背を向けた――――遠見のその言葉に、

――――っ・・・、一騎・・・」

 胸が大切な何かを失ったかの様に、ズキズキと鳴っていた。

 けれど、立ち止まらずに。

 彼女といた場所から、立ち去って。

 

 ――――同じ想いだったのなら、何故・・・っ。

 

 防波堤近くまで来た時、

「僕達は、確かに繋がっていた」

 誰よりも深く。

 心も共有して。

「ずっと・・・一緒にいられると、思っていた」

 この戦いが終わるまで。

 いや、終わってからも。

 いつまでも一緒だと、当たり前の様に考えていた。

「・・・君の全てを理解しているのは、僕だけだと思っていたのに」

 やっと足を止めた。

 そして、霧の掛かっている海を見詰め、

「裏切ったんじゃない。一騎・・・お前は、戻って来てくれる・・・」

 彼が付けた疵痕を、指先でなぞり。

 あの――――最後の戦闘時に繋がった・・・心の内が熱くなる感覚を思い出して。

「僕は・・・信じているから・・・」

 一騎・・・。

 君は今、何処で何をしている?

「早く、戻っておいで・・・」

 そっと、空を仰いだ。

 

END.

 

11話ネタ。

皆城総士が叫んだよ!!

とうとう、本音言ったよ!!

物凄い、萌えました。

てか・・・“絆”ってアンタ・・・。

変態だな・・・。

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