Constrain
初めから、いけ好かない奴だと思っていた。
しかし、関係ないと。
関わる事はないと。
そう思っていたのに。
「助けてあげるよ、ジュール隊長」
突然差し延べられた手。
嫌味を含みながらも、耳に馴染む・・・心地好い声音(こえ)。
それに負けて、
「何故・・・助けようと思った・・・?」
「――――・・・好きだから?」
俺はあいつの手を取った。
――――間違イダト、ワカッテイタノニ――――
『好きだから?』
そんなちっぽけな・・・安っぽい言葉に、
――――愚かしい自分。
騙されて・・・。
* * *
僕達はただ、
『アスラン・・・大好き』
『俺も――――愛しているよ、キラ』
“愛している”と云う言葉を盾にして、
『やっ・・・ダメッ・・・アスラ・・・』
『愛しているんだ。だからっ』
躰を重ねて、愛を交わして。
そんな、どうしようもない“友達ごっこ”をしていたのかもしれない。
――――Constrain――――
僕が本当に欲しかったものは、
『ねぇ・・・僕の事、好き?』
安っぽい告白の言葉とかじゃなくて、
『好きに決まっているじゃない』
もっと深い――――躰の交わりで。
何も知らなかったあの頃の僕は、
『だからね? 秘密・・・』
純粋に“SEX”と云う行為が好きだった。
けれど、
『キラ・・・まさか、本気にしているの?』
彼の一言で裏切られて。
詰られて、嬲られた心と躰。
――――誰よりも好きだったのに。
届かなかった想いは、どうすれば良いんだろう。
TO BE NEXT・・・?
「Merciless」の『Constrain』から抜粋。
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