Solitude Blue
孤独を抱えて今日も独り。
誰が。
いつになったら、救ってくれるの?
――――孤独な蒼――――
昔から、僕は両親に愛された事がなかった。
愛する為に、愛される為に作られたと言うのに。
与えられるのは、温かみも何もないお金だけで。
ただ悲しく、切なくて。
『お前は失敗作なんだ』
『莫大なお金を掛けて作らせたのに』
何故、あなたみたいなものが生まれて来たの?
それでも――――傷口を抉る様な事しか言わなくても。
冷たいお金しか与えてくれなくても。
両親に愛されたくて。
「・・・っ、胸が痛い・・・、苦しいよぉ・・・」
誰か・・・助けて。
失敗作。
出来損ない。
そんな酷い言葉を投げ付けられても、
「お父・・・さん・・・、お母・・・さん・・・っ」
耐えに耐え抜いて。
何もない空虚な・・・けれど、両親が唯一用意してくれた城で、無意味に近い命を生きていた。
「――――おい、お前・・蹲って何してんの?」
彼に逢うまでは。
* * *
“愛”なんてくだらないものが、一体何を与えてくれる?
何故、人は愛されたがる?
そんな事もわからずに。
今日も独り孤独を抱えて。
心の奥、何処かでは寂しさを埋めてくれる“存在(あい)”を探している。
――――Solitude Blue――――
胸に空いた穴を埋められないとしても。
この腕に抱くのは、年上の女だけだと決めていて。
年下や同性は問題外で、相手にするつもりもなければ、時間を共にするのも嫌だった。
しかし、
「――――おい、お前・・蹲って何してんの?」
パラパラと雨の降る日に出逢った彼は、何故だろう、ずっと傍に置いておきたい衝動を掻き立てて。
少女にも見える容貌。
女より女性らしく、躰は華奢で。
「・・・あなたは・・・誰・・・?」
零れ落ちた高く細い澄んだ声に、
「俺は・・・アスラン。アスラン・ザラ」
“ザフト”のNo.1をやっている。
無意識に己を紹介して。
「・・・キラ。キラ・ヤマト・・・」
君は僕を愛してくれる人?
「――――っ」
見上げて来る紫の瞳に、気が付けば、
「・・・っん・・・」
少年――――キラを立たせ、その唇に口付けを落としていた。
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