この庭に眠る

 

 全てを諦めたはずなのに。

 心は愛を欲して。

 己の涙に、しとどに濡れる。

 何故、こんなにも苦しいの・・・?

 

――――白ク紅イ大地ニ蒼イ空――――

 

 アスランの腕の中は気持ちいい。

 苦しみも痛みもなく、ただ幸せで。

 此処に存在する全部を捨てた僕にも、天国を与えてくれる。

 だから、この温もりの中にいる時だけは、心を解放して。

「キラ」

 届くはずのない天(そら)に、手を伸ばす。

 

 ――――ねぇ、独りはイヤだよ。

 

 そんな僕の様子を、彼は何も言わず見守って。

 時折、力なく横たわる肢体に触れ、

「キラ、おいで」

 穢れた躰を抱き締める。

 その行為は、汚いもののはずなのに、綺麗で。

 

 ――――ずっと傍にいて?

 

 声も出さずに僕は泣く。

 そして、腫れた瞳で翡翠を映し、

「アスラン・・・」

 夜に散る。

 

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