狂った愛で、貪る様な
一騎を手に入れたいと思った事は、数え切れない程あって。
何度も抱きたいと思っていたから、
「ごめん」
押し倒された時は驚いたけれど、嫌じゃなかった。
しかし、その事は口にせずに。
流れに従った。
それが、
「――――・・・一騎・・・?」
横にいるのは・・・っ。
どう云う事だ、一騎!
彼を失う結果に繋がっているとも知らずに。
――――やめろ、一騎に触るなっ。
流され続けて。
気付けば、
「僕を・・・好きだったんじゃないのか・・・」
もう、引き返す事の出来ない所まで、来てしまっていた。
――――感情が、爆発する――――
好きだと言った癖に。
僕の全てを狂わせた癖に。
何故、他人の腕の中にいるんだ。
そんな事・・・許さない。
他の奴に、渡したくない。
一騎・・・。
* * *
どのぐらいの間、喘いでいたのだろう。
何度ぐらいイッたのかもわからなく程、絶頂を見せられて。
意識を飛ばす事も許されずに、俺は・・・。
頼むから・・・。
頼むから、好きじゃないのなら。
触れないで。忘れたいから。
二度目の覚醒は、夕日も落ちた夜で。
痛む躰を引き摺りながら、シャワールームへ向かおうとする。
だけど、
「――――んっ・・・」
「・・・っ、え・・・?」
伸びて来た腕に捉えられ、
「総・・・士・・・?」
ベッドの中へと戻されて。
見たものは、大人びた寝顔で。
胸が急に鼓動を速め、ズキズキと躰が欲望を示し出す。
――――ダメだ。これ以上触れたら・・・。
わかっているのに。
総士を穢すだけだとわかっているのに。
四肢は、彼の体温を――――激しさを欲して。
「――――っ!」
強く目を瞑ると、腕の中から逃げ出し、シャワールームへと駆け込んだ。
と同時、水を捻り出して。
少しずつ冷えて行く体温に、息を吐いた。
To Be Next?
『狂った愛で、貪る様な』より一部抜粋。
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