虚構挿話
繋ぎ止めて置きたくて。
僕の事だけを考えさせたくて。
掻き抱いた躰。
突き入れた己自身に。
彼の下肢が、紅い涙を流した。
――――もっと・・・もっと喘いで――――
どれぐらいの間、抱いていたのだろう。
イッた回数も、囁いた言葉も忘れるぐらい繋がっていたから、
「・・・っ、一騎・・・?」
気が付けば、一騎は気絶していて。
「――――・・・」
自身を引き抜くと、
「どうすれば、僕のところに堕ちて来てくれる?」
そっとシーツを掛けた。
――――狂ってしまえば、いいのに。
瞬間、
「んっ・・・」
一騎は身動いで。
「総・・・士・・・」
紡がれた名前。
そう、いつだって僕が一番なんだ。
だから、ほら・・・。
* * *
幼馴染の全てを注ぎ込まれ、体内に感じた熱に喘いで。
抱え上げられた足――――爪先に、きゅっ・・・と力が入った。
――――どうか、島を出る事を許して欲しい。
不意に、冷めて行くSEX後の熱。
急激な体温の低下に、躰が震えて。
「・・・っ」
フル・・・と身震いを一つして、シーツを被る。
瞬間、
「ほら、寒いならこっちおいで」
腕の中に抱かれて。
トクン、トクンと早まった鼓動。
「んっ・・・、総・・・士・・・」
熱を持ち出した吐息。
総士の体温が、気持ち良かった。
――――お前と同じものが・・・見たいのに・・・。
だから、
「ふ・・・あ・・・?」
夜中、肌寒さを感じて。
俺は・・・、
「ん・・・、此処・・・」
もう一度、彼の腕の中へと自ら潜り込んだ。
それから、小さく息を吐いて。
お休みなさい。
瞼を落とした。
To Be Next・・・?
『虚構挿話』から一部抜粋。
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