誕生日

 

 いつも変わりない放課後。

 帰宅出来る喜びからか、騒がしい教室。

 その雑音の中で、彼・・・一騎は一言、

「今日、夕方・・・家に来て欲しいんだ。て云うか、待ってるからな」

 本当にそれだけを口にすると、

「それじゃ、後でな!」

 僕の前から走り去ってしまった。

 

―――― Birthdays ――――

 

 日も落ちそうな夕方。

「一騎、僕だけど」

 彼との約束(と言えるかわからないが、言われた)通り、一騎の家へと訪れた。

 しかし、出迎えが来る事はなく、

「入って来て、総士」

 中から呼ばれ、一つ溜め息を吐いて足を踏み入れる。

 と、香った美味しそうな食事の匂い。

「・・・・・・?」

 それに首を傾げながら、リビング――――居間へと行くと、

「誕生日おめでとう!!」

 一騎の手料理が並んでいて。

「ああ・・・。そう言えば・・・」

 今日が自分の誕生日だったと思い出す。

 特に気にしていなかったから、すっかり忘れていた。が、改めて祝って貰えると嬉しいもので。

「忘れてただろう?」

「綺麗さっぱり、ね」

 やっぱり・・・と呟く彼に苦笑すると、

「・・・一騎、有難う」

 お礼を言う。

 すると、一騎は笑って、

「プレゼントも考えたんだけど、思い付かなかったから・・・」

 耳元で囁いた。

 それは、とても小さな声で。

 だが、しっかりと聞き取った僕は、勿論・・・と頷いた。

 

―――― Happ...Happy...Birthday ――――

 

END.

 

総士さん、Happy Birthdayって事で。

プレゼントは勿論・・・一騎くんです。

フリーですので、お持ち帰りどうぞ・・・です。

にしても、今日で最終回って・・・!

でも、来年も続けますので、宜しくお願いしますっ。

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