花散里

 

 お互いを傷付け合って。

 その血を舐め合って。

 何も生まないSEXをして。

 ただ、共にいた彼女。

 守りたくて、守れなかった好きだった人。

 フレイ・アルスター。

 あなたは今、幸せを感じていますか?

 

――――花散里――――

 

 戦争が終って三年。

 忙しく、生と死の間で生きていた事が嘘の様に、毎日が平和で。

 少しずつ、忘れてはいけない――――僕が手に掛けた人達の想いを忘れそうになる。

 けれど、

「・・・アスラン・・・」

 彼女の事だけは、忘れられなくて。

「お墓参り・・・行きたいんだけど・・・」

 季節が変わる度に、時期を迎える花を持って行って。

 自分の弱さと無力さに、心を責める。

 そんな――――一種の戒めにも似た行為に、

「今日・・・今からか?」

 アスランは嫌そうな顔をする。

 でも、それをしなきゃ逆に辛いから。

「うん。駄目・・・?」

 不満そうな彼を伴って、彼女・・・フレイの元へ行く。

 足取りは、非道く重い。

 だけど、淡く微笑んで。

「フレイ・・・」

 彼女が眠る――――と言っても、骨も何もないんだけど、お墓の前で手を合わす。

 そうして満足する僕を、アスランは言葉も紡がず見守って。

 優しく頼りになる手を差し出してくれる。

 それを、静かに握り返して。

「またね・・・」

 フレイに別れを告げる。

 瞬間、花が揺れて。

『キラ・・・』

 風に乗って、彼女の声が聞こえた気がした。

 けど、振り返らずに。

「キラ」

「アスラン・・・」

 今だけは、隣にいる大切な人の温もりと歩む。

 

END.

 

55000Hitを踏んで下さった、水鏡様へ。

こんな話ですいません。

BBSも返信出来てなくてすいません。

大した事ないですが、受け取ってやって頂けたら幸いです。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送