ブランコ

 

 例えば、あの時喧嘩なんかしなければ。

 くだらない事で、意地を張ったりしなければ。

 今頃、彼の腕の中にいられたんだろうか・・・。

 

――――一騎ニハ、関係ナイ事ダ――――

 

 悔しかった。

『え・・・、皆城くん、一騎くんに言ってなかったの?』

 遠見は知っていて、俺が知らなかったと云う事実が。

『ああ。一騎には関係ない事だから』

 関係ない、と言われた事が。

 だから、

『一騎くん!?』

 出て来る前、総士の頬をひっぱたいて。

『結局、総士に取っては“そんなもの”だったんだろう! どうせ俺は・・・ファフナー以下だからな・・・っ! もう・・・お前なんか嫌いだ!!』

 意思を持って駆け出した足に導かれるままに、

「・・・っ、総士・・・」

 気が付けば、公園まで来ていた。

 

 ――――どうして俺には言えないんだよ。

 

 本当は叩きたくなかった。

 ただ話して欲しかっただけで。

 だけど、あの・・・時折見せる彼の冷たい瞳に捉えられた瞬間、止まらなくなって。

 

 ――――総・・・士・・・。

 

 自己嫌悪に吐き気すら憶えながら、ブランコに腰掛ける。

 そして、それを軽く揺らしながら唇を噛み締めた。

 と同時、

「一騎」

 後ろから抱き締められた躰。

「ゴメン。・・・話せなかったんだ」

 頬を伝った涙。

 総士は俺を追い掛けて来てくれた。

 それだけの事に満足して・・・。

「もう・・・いいよ・・・」

 話せる時に、話してくれればいいから・・・。

 涙を拭う事もせずに、キスを強請った。

 

END.

 

・・・スランプです。

文章がいつもの数倍、駄目になっています。

どうにかして、書き方を落ち着かせなくては・・・と思う。

望むだけじゃ実らないけれど、やっぱり欲しいと思うものなんです。

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